The FANを設立してから4年目を迎えようとしていますが、ようやく「ブランディングデザインとは何か」が会社内で浸透してきたように思います。そこで今回コーポレートサイトのリニューアルにあたり、この3年間の活動を振り返りながら弊社について紹介したいと思います。上手くいったことだけではなく、失敗や反省点も多くありますが。。。
まだまだ考えが至らない点もあるかと思いますが、私たちが今考えていることを私たちの視点でまとめてみましたのでご覧いただけると嬉しいです。
目次
The FANという社名について
The FANという社名は限定詞である「the」と、愛好家という意味の「fan(ファン)」の2つの語から構成されています。
好きなものを、好きな人に、好きになって欲しい
私たちは日々生活する中で、たくさんの”好き”に出会います。その”好き”の対象に対して「もっと知りたい」「応援したい」「自分以外の人にも知って欲しい」という感情が生まれた時のワクワク感は一つの生きがいになっています。さらに、自分の”好き”を、自分の”好きな人”と共有できる空間に居れることはこれ以上ない幸せです。そんな”好き”が溢れる会社にしたいと思い、「fan(ファン)」と名付けました。
“誰かにとっての特別”になることができる
私たちが普段お仕事させていただくクライアントさんには既に多くのファンがいらっしゃいます。私たちは数多く存在するファンのうちの1人(もしくは1組織)という関係値でお付き合いがスタートすることがほとんどです。まずはクライアントさんに私たちの存在を認知してもらうことから始まり、私たちが何をする会社なのかを理解してもらい、パートナーとして選んでもらう必要があります。
ただ一方的に”好き”なだけでは仕事にはなりません。
存在感を示すためにもクライアントさんにとって「”あの”fan(ファン)」になりたいと考え限定詞である「the」を組み合わせました。
「The FANが考えるファン像」についてはもっと伝えたいことがありますが、ロゴの制作工程と合わせて別の機会に紹介したいと思います。
デザインの力で社会全体の効用を高める
見ているものと、見えているものは違う
「ブランディング」という言葉は「湖」のように思います。見るひと、見る時、見る角度によって解釈や定義が変化すること、その振れ幅を軽視していて、クライアントさんと弊社との間で「ブランディング」という言葉へのチューニングが合っていないまま話を進めてしまっていたこともあったなと。
また、同じもの(弊社の提案)を見ているので、見えているもの(提案後の未来)も同じだと盲信していたことも反省点の一つです。
設立初期と比較した際の大きな変化は「ブランディング」という言葉を弊社では、どの視点から見てどんな意味で用いるかをはっきりと定めたことです。
そしてチューニングをこまめに実施し、「見ているものと、見えているもの」の確認作業を怠らないことを心がけています。
価値とは何か
※ここでは「効用」を「満足度の度合い」という意味で用います。
生産者は”価値”があると思ったものを製造して販売します。消費者が商品を購入する判断材料として”価格”が存在しますが、世の中の全ての商品が、”価値”を正確に”価格”に反映しているとは限りません。
生産者側と消費者側によって、見ているもの(価格)と見えているもの(価値)に差が存在するからです。
ここ数年”価値”を高める努力を怠り、販売戦略により”価格”を高める施策が流行しました。そしてそんな施策が「ブランディング」と呼ばれることも多々あります。「”価値”の水増し」を行い”価格”を高めても、一過性の売り上げUPには繋がるかもしれませんが、果たして消費者の「効用」を高めることは出来るのでしょうか…?
“価値”を丁寧に伝えることで、「買ってよかった」「また買いたい」「友達にも勧めたい」など、”価格”以上の”価値”を感じて購入先である生産者の”fan(ファン)”になってもらうことが、生産者と消費者両者の「効用」を高める上で最も大切なことだと考えています。
つまり弊社の「ブランディング」の定義は、クライアントさんの「売り上げを伸ばす」ことではなく、クライアントさんの「商品を手にとってくれた消費者が支払った”価格”以上の”価値”を感じて幸せになる」ことです。
そして、そんなfan(ファン)の輪、幸せの輪が広がっていく社会になればいいなと思っています。
長くなりましたが弊社のメイン事業であるブランディングデザインを一言で説明すると、「ブランディングデザインとはデザインの力で社会全体の効用を高めること」です。
コンサル自らが収益事業を行う
ブランディングデザインは、コンサルティング(以下、コンサル)の要素が強い事業です。コンサルは契約期間や使えるリソースなどの制約の中での提案が前提です。そして提案を採用し実施するのはクライアントさんです。この仕組み上、コンサル会社と事業会社の間で「見ているものと、見えているもの」に差が生まれることになります。
弊社では自らも収益目的の事業を行うことを決めて、昨年から準備を進めてきました。理由は4つあります。
- 実際に自らがマネタイズまで経験することで、見えてくるものがある。
- 思いついた施策をクライアントさんに提案する前にテストしたい。
- 中長期的な経営戦略も含めた、視座が高い提案もできるようになりたい。
- 自らの収益事業を通じて得たスキルやナレッジをコンサル提案に活かしたい。
クライアントさんは、ただただコンサルに正論を言われたいわけではありません。「そんなことは分かっている」けど「実現できない”何か”」をクライアントさんは解決したい。この”何か”は金銭面かもしれないし、人材面かもしれないし、気持ちの面かもしれません。一見、合理的ではない方法を取ることが解決に繋がるかもしれないし、腹を括った経験談が決断の後押しになるかもしれません。そんな現場感も含め最適なコンサル提案ができるようになることが、コンサル自らが収益事業を行う意義だと考えています。
昨年末に「伝統的工芸品産業を再び人とお金が集まる産業へ」をコンセプトに「KAERU(カエル)」というブランドを立ち上げました。KAERU(カエル)のメディアサイトにも是非お越しください。
事業会社の業務プロセスを可視化する
コーポレートサイトのデザイン案を固めていく中で、「The FANのサービスをサイトを通じて体感してもらう」ことをリニューアルのテーマに決めました。
ポイントは「デザイン」の使い所を視覚的に伝えること。
事業会社の活動は事業計画の策定から、企画・設計・制作・流通・販売・資金調達に至るまで、いくつもの業務のつながりで成り立っています。一般的に「デザイン」と言われるような、イラストを作ったり、資料の見た目を整えたりする業務は「制作」に分類されるでしょうか。実は「デザイン」は上記の業務プロセス全てで活用することができます。そうは言ってもイメージするのは難しい。そこでトップページに業務プロセスをイメージしたイラストを配置し、各プロセスと「デザイン」との親和性を伝えることで、直感的に「デザイン」の使い所が分かるUIを目指しました。
最後に
今後もブログの更新をしていこうと思っています。その中で私たちの「ブランディングデザイン」や「自社サービス」にご興味をいただける方、企業さん、学生さんがいましたらお気軽にご連絡をいただけると嬉しいです。
目の前に4年目が迫ってきていますが、これからも初心を忘れず精進してまいります。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。